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ファンタスティック4:ファースト・ステップのポスター

ファンタスティック4:ファースト・ステップ

The Fantastic Four: First Steps / 2025年

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』はMCU公開順第37作、フェーズ6の第1作であり、すでに世界的ヒーローとして完成しているファンタスティック4が、スーの妊娠と息子フランクリンの誕生をきっかけに、「世界を救うヒーロー」と「一人の子どもを守る家族」という二つの責任を同時に背負う物語です。

本作の舞台は、これまでのMCU本編が主に描いてきた世界とは異なるアース828。1960年代を基調としながら、リード・リチャーズの発明によって宇宙船、ロボット、高度な交通網などが実用化されたレトロフューチャー世界です。ファンタスティック4は物語開始時点ですでに結成から4年が経過しており、能力獲得の起源を一から描くのではなく、「世界中から愛される家族型ヒーローチーム」として登場します。

そこへ現れるのが、惑星を食らう宇宙的存在ギャラクタスと、その先触れであるシャラ・バル/シルバーサーファーです。しかもギャラクタスが本当に求めているのは地球そのものだけではなく、リードとスーの間に生まれる子どもフランクリン・リチャーズ。一家は「フランクリンを差し出せば地球を救う」という究極の選択を拒絶し、それでも人類を見捨てない第三の道を探します。

本作はファンタスティック4のMCU本格参戦作であると同時に、フランクリン、ギャラクタス、シルバーサーファー、そしてミッドクレジットで姿を見せるドクター・ドゥームを通して、次の大規模クロスオーバーへ直接つながる重要作です。


詳しいあらすじ

1. アース828――すでに世界の英雄となったファンタスティック4

1964年のアース828。世界では、リード・リチャーズ、スー・ストーム、ジョニー・ストーム、ベン・グリムの4人がファンタスティック4となってから4周年を迎えていました。

4年前、4人は宇宙ミッションで宇宙線を浴び、それぞれ特殊能力を獲得します。リードは身体を自在に伸縮できるミスター・ファンタスティック、スーは透明化とフォース・フィールドを操るインビジブル・ウーマン、ジョニーは全身を炎に包み飛行できるヒューマン・トーチ、ベンは岩石状の頑丈な身体と怪力を持つザ・シングとなりました。

その後4人はモールマンをはじめとするさまざまな脅威から世界を守り、リードの発明は社会そのものを進歩させます。さらにスーはフューチャー・ファウンデーションを通じて国際協調を進め、世界的な軍縮にも大きく貢献していました。


2. スーの妊娠――4人の家族に加わる新しい命

リードとスーは、家族で食卓を囲む中で重大な知らせを伝えます。スーが妊娠したのです。

ジョニーとベンは喜び、4人だけだったファンタスティック4に新しい家族が加わることになります。しかしリードは喜びながらも強い不安を抱きます。自分たち4人は宇宙線によって身体を大きく変化させられており、その影響が胎児へどう現れるのか予測できないからです。

リードは胎児の状態を調べ続け、「普通の子どもとして生まれてくるのか」「能力を持つのか」を科学的に理解しようとします。一方のスーは、すべてを計算で制御しようとするリードに対し、分からない未来も含めて受け入れようとします。


3. シルバーサーファーの出現――地球への死刑宣告

数か月後、ニューヨーク上空へ銀色の身体とボードを持つ謎の存在が現れます。

彼女はシャラ・バル/シルバーサーファー。驚異的な速度で宇宙を移動し、ファンタスティック4と世界中の人々へ一方的に告げます。地球は選ばれた。まもなくギャラクタスが来る。そしてすべてが終わる、と。

ジョニーはすぐに空へ飛び、彼女を追跡します。シルバーサーファーは短時間だけジョニーと接触しますが、そのまま宇宙へ去ってしまいます。

世界中から信頼されてきた4人にとって、初めて「本当に世界を救えないかもしれない」という可能性が突きつけられます。


4. リードが確認する消えた惑星――ギャラクタスは実在する

リードはシルバーサーファーが残したエネルギー反応を解析し、宇宙各地の観測データと照合します。

そこで明らかになったのは、彼女が訪れた先で複数の惑星が次々と消滅しているという事実でした。シルバーサーファーの警告は脅しではありません。彼女が現れた場所には、その後ギャラクタスが到来し、惑星そのものが食われているのです。

リードは地球で待ち構えるのではなく、ギャラクタスが到達する前にこちらから会いに行くことを提案します。4人は高速宇宙船エクセルシオールで出発し、シルバーサーファーの軌跡を追います。

地球を守るためなら宇宙の果てまで行くというヒーローとしての決断ですが、同時にスーは出産を控えています。リードにとってこの任務は「世界を救う」だけでなく、妻とまだ生まれていない子どもを危険な宇宙へ連れ出す決断でもあります。


5. 目の前で一つの惑星が食われる

ファンタスティック4はFTL航行によって遠方の惑星へ到達します。

しかし彼らが目撃したのは救出可能な文明ではなく、すでにギャラクタスに襲われている世界でした。巨大な宇宙船と桁外れの存在によって惑星は崩壊し、文明全体が消滅していきます。

さらにシルバーサーファーに捕捉され、4人はギャラクタスのもとへ連行されます。これまで自分たちの世界では最上級の科学者・戦士・英雄だったファンタスティック4が、宇宙規模では圧倒的に小さな存在でしかないことが示されます。


6. ギャラクタスの要求――「子どもを渡せば地球を救う」

ついに4人はギャラクタスと対面します。

ギャラクタスは単なる征服者ではありません。太古から惑星の生命エネルギーを食らい続けなければならない存在であり、終わることのない飢えに支配されています。

そして彼は、スーの胎内にいる子どもへ異常なほど強大な力が宿っていることを感知します。ギャラクタスの見立てでは、その子どもの力を利用すれば、自分は永遠の飢えから解放される可能性がある。

そこで提示される取引は極めて単純です。

「子どもを渡せ。そうすれば地球は食わない」。

数十億人の命と、まだ生まれてすらいない自分たちの子ども一人。純粋な人数だけで考えれば、ギャラクタスの要求を受け入れる方が「合理的」に見えます。しかしリードとスーは即座に拒絶します。

ファンタスティック4は世界を救うヒーローですが、そのために守るべき一人を意図的に差し出すことはしません。本作が突きつけるのは、ヒーローの責任は最大多数のために一人を犠牲にすることなのかという問いです。


7. ギャラクタスからの逃走とスーの出産

交渉が決裂すると、4人はエクセルシオールでギャラクタスの船から脱出します。シルバーサーファーが追跡し、通常の航行では逃げ切れません。

リードは中性子星の強大な重力を利用する危険な航路を選択し、シルバーサーファーとの距離を稼ぎます。作戦には成功しますが、その代償としてFTLシステムは損傷。帰還後に同じ方法で簡単に宇宙へ逃げることはできなくなります。

さらに逃走中、ギャラクタスとの接触によって陣痛が始まっていたスーの出産が本格化します。宇宙船の中で、仲間たちに支えられながら男の子が誕生します。

その子がフランクリン・リチャーズです。

ギャラクタスが惑星よりも価値を見いだした子どもが、世界滅亡の危機の真っただ中で生まれる。ここから問題は「まだ見ぬ子どもを渡すか」ではなく、実際に腕の中にいる家族を世界から要求されるかへ変わります。


8. 地球帰還――世界がファンタスティック4を責め始める

約1か月後、4人は地球へ戻ります。

リードは事実を隠さず公表します。ギャラクタスは実在し、地球を食おうとしている。そして彼は、フランクリンを渡せば地球を助けると提案したが、自分たちは拒否したと。

当然、世界は大きく揺れます。

これまでファンタスティック4は、世界のために危険へ飛び込む英雄として支持されてきました。しかし今回だけは、彼らが自分の家族を優先した結果として、全人類が滅亡する可能性があります。抗議活動が激化し、「一人を犠牲にして地球を救え」という声まで現れます。

リード自身も葛藤します。天才科学者としては、数十億人と一人を比較する冷酷な計算を理解できてしまうからです。しかし父親としてフランクリンを差し出す選択はできません。


9. スーが人々の前へ出る――「子どもも世界も諦めない」

スーはフランクリンを抱き、人々の前へ出ます。

彼女は、自分たちがフランクリンを犠牲にすることはないとはっきり伝えます。しかし同時に、「だから地球を見捨てる」という意味でもないと訴えます。

子どもを守ることと、世界を守ることを二者択一にしない。両方を救う方法を最後まで探す。

この姿勢によって、失われかけていた人々の信頼が再び戻り始めます。

同時にジョニーは、シルバーサーファーが使っていた言語や宇宙から傍受した通信を解析し始めます。軽口の多いジョニーが、単なる戦闘要員ではなく知性と共感によって敵の背景を探ることが、後の決着へつながります。


10. 地球そのものを逃がす――リードの「ブリッジ計画」

リードは新たな解決策を提示します。

彼が研究していたテレポーテーション・ブリッジを世界規模へ拡張し、地球そのものを別の恒星系へ移動させるという計画です。

本来は極めて限られた距離・対象でしか使っていなかった技術ですが、ギャラクタスと正面から戦って勝てない以上、「敵を倒す」のではなく「地球を逃がす」しかありません。

スーはフューチャー・ファウンデーションを通じて世界各国をまとめ、各地で巨大なブリッジの建設を進めます。国家間の利害を超えて資源とエネルギーを一点へ集中させる必要があり、ここで4人が4年間かけて築いてきた社会的信頼が最大の武器になります。


11. シルバーサーファーがブリッジを破壊する

計画が完成へ近づいたところで、シルバーサーファーが再び地球へ到来します。

彼女はギャラクタスから逃がさないため、世界各地に建設されたブリッジを次々と破壊していきます。せっかく世界が一つになって作った脱出手段が失われ、最後に残るのはニューヨーク・タイムズスクエアのブリッジだけとなります。

ジョニーはシルバーサーファーを追跡し、戦いながら彼女へ語りかけます。

ここでジョニーが解析してきた情報が意味を持ちます。彼女の本名はシャラ・バル。故郷はゼン・ラ。そして彼女も最初から冷酷な虐殺者だったわけではありません。

ギャラクタスに故郷を食われそうになった時、シャラ・バルは自分が使者になる代わりにゼン・ラを助けるという取引をしました。その結果、故郷を救うために別の惑星をギャラクタスへ差し出し続ける存在になったのです。


12. シャラ・バルの罪――フランクリンを巡る選択との鏡像

ジョニーは、ギャラクタスに滅ぼされた惑星から残された通信をシャラ・バルへ聞かせます。

そこには、彼女が「選んだ」惑星に生きていた人々の声が残っていました。

シャラ・バルはゼン・ラを守るために他の世界を犠牲にした。その選択は、いまファンタスティック4へ迫られている「自分の家族を守るために他者を犠牲にするか」という問題と重なります。

ただしファンタスティック4は、フランクリンも地球も救おうとしています。一方シャラ・バルは長い間、ギャラクタスの論理を受け入れ、「誰かを救うには誰かを差し出すしかない」と諦めてきました。

ジョニーは彼女を倒すのではなく、その罪悪感と良心へ働きかけます。この対話がなければ、最後にギャラクタスを止めることはできません。

それでもシャラ・バルはこの場では完全に寝返らず、姿を消します。4人は残された一つのブリッジだけで最終作戦を考えることになります。


13. 最終作戦――フランクリンを「餌」にしてギャラクタスを送る

地球を丸ごと転送する計画は不可能になりました。

そこでリードは発想を逆転させます。逃げるべきなのは地球ではない。ギャラクタスの方をブリッジで宇宙のはるか彼方へ飛ばせばいい。

問題は、どうやって巨大なギャラクタスを正確にブリッジまで誘導するかです。

答えは残酷なほど明確でした。ギャラクタスが最も欲しがっているフランクリンを囮にするのです。

もちろん本当に差し出すつもりではありません。リードがフランクリンを救出し、ベンとジョニーが進路を作り、スーがフォース・フィールドでギャラクタスをブリッジへ押し込む。家族全員が役割を果たす危険な作戦です。

同時にスーは、かつて敵だったハーヴェイ・エルダー/モールマンへ協力を求めます。ニューヨークの市民を彼の地下都市サブテラニアへ避難させ、地上での最終戦に備えます。


14. ギャラクタス、ニューヨークへ

ついにギャラクタスが地球へ到達します。

その身体はニューヨークの高層建築をはるかに超えるほど巨大で、街そのものが彼の足元にある小さな模型のように見えます。通常のヴィランとの戦闘ではなく、人間が自然災害や神話的存在を相手にしているような戦いです。

計画通りフランクリンを使って誘導しようとしますが、ギャラクタスは罠を察知し、バクスター・ビルへ手を伸ばしてフランクリンを確保します。

リードは伸縮能力を使って息子を取り戻そうとし、ベンとジョニーも援護。最終的にリードはフランクリンの救出に成功しますが、ギャラクタスをブリッジへ押し込むにはあと一歩足りません。

ここで最も大きな負担を背負うのがスーです。

彼女は巨大なフォース・フィールドを形成し、自分より何千倍も大きいギャラクタスを力ずくで押し始めます。


15. スーの限界とジョニーの自己犠牲

スーは身体の限界を超えて力を使い続けます。

フォース・フィールドによってギャラクタスを少しずつブリッジへ押し込みますが、巨大な宇宙的存在を動かす負荷はあまりにも大きく、スーの生命そのものが削られていきます。

それでも最後の距離が足りません。

そこでジョニーは、自分が全力で突撃して最後の一押しを行おうとします。成功してもブリッジの向こうへギャラクタスと一緒に飛ばされ、帰れない可能性が高い。姉と甥、そして地球を救うため、自分を犠牲にする決断です。

物語開始時には陽気で軽い弟に見えたジョニーが、家族のためなら命を差し出せることを示します。

しかし、その役目を引き受ける者が別に現れます。

シャラ・バルです。


16. シルバーサーファーの贖罪――ギャラクタスとともに彼方へ

戻ってきたシャラ・バルはジョニーの自己犠牲を止め、自らギャラクタスへ突撃します。

彼女は長い間、ゼン・ラ一つを守るために無数の惑星を犠牲にしてきました。しかしジョニーとの対話によって、自分がしてきたことから目を背けられなくなります。

最後には、ギャラクタスから与えられた力をギャラクタス自身へ向け、彼をブリッジの中へ押し込みます。

ブリッジは閉じ、ギャラクタスとシャラ・バルは地球から宇宙のはるか彼方へ転送されます。


17. スーの死とフランクリンの力

地球は救われました。

しかし限界を超えてフォース・フィールドを使ったスーは倒れ、一度は命を失います。

リード、ジョニー、ベンにとって、世界を救った代わりに家族の中心を失うという最悪の結末です。

その時、赤ん坊のフランクリンが母へ触れます。

するとスーの身体に力が戻り、彼女は息を吹き返します。

ギャラクタスがフランクリンを欲しがった理由がここで明確になります。フランクリンは単に両親の能力を受け継いだ子どもではなく、死者すら蘇生させるほど異常な規模の力を秘めています。

本作では能力の全貌までは説明されません。しかし、宇宙を何十億年も生きてきたギャラクタスが自らの運命を変えられると判断したほどの存在であること、そして実際にスーを蘇らせたことから、今後のMCUでも極めて重要な存在になることが示されます。


18. 5周年――4人から「5人の家族」へ

危機からしばらく後、世界は再びファンタスティック4を英雄として迎えます。

結成から5周年を迎えた彼らの生活には、フランクリンという新しい家族が加わっています。世界滅亡の原因として差し出すよう求められた赤ん坊は、結果的に母スーを救い、ファンタスティック4の家族そのものを守りました。

そしてチームは、新たな任務へ向けて再び出発します。

本作で彼らが証明したのは、「世界のために家族を捨てられるから英雄なのではない」ということです。家族を守る意志と、他の人々も同じように守るべき存在として扱う姿勢。その両方を諦めないからこそ、彼らはファンタスティック4です。

物語は一つの家族映画として完結しますが、彼らの世界そのものはこの後MCUのマルチバース規模の物語へ巻き込まれていきます。


ミッドクレジット/ポストクレジット

ミッドクレジット――4年後、フランクリンの前に現れるドクター・ドゥーム

本編から4年後。

成長したフランクリンとスーはバクスター・ビルで穏やかな時間を過ごしています。スーが少し目を離して戻ると、フランクリンの前には見知らぬ人物がいました。

緑色のフード付きの外套をまとった男。そしてそばには、象徴的な金属製の仮面があります。

顔は明確には映されませんが、この人物はヴィクター・フォン・ドゥーム/ドクター・ドゥームです。

重要なのは、ドゥームが最初に接触している相手がリードではなくフランクリンだということです。本編でギャラクタスさえ求めたフランクリンの力が、次はドゥームの関心を引いている可能性が強く示されます。

ファンタスティック4の物語が、ここから『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へ直接接続していく最大の伏線です。

ポストクレジット――1960年代アニメ風のファンタスティック4

最後には、この世界で放送されているかのようなレトロなアニメ版ファンタスティック4の映像が流れます。

物語上の重大な伏線ではありませんが、本作全体が1960年代のコミック、テレビ文化、レトロフューチャーへの敬意を込めて作られていることを象徴する遊びです。


主要キャラクターまとめ

リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック

ファンタスティック4のリーダーで、アース828を代表する天才科学者。身体を自在に伸縮できますが、本作ではエクセルシオール、FTL航法、ハービー、テレポーテーション技術などを生み出す頭脳こそ最大の武器です。

未知を「理解し、計算し、制御する」ことで不安へ対処する人物でもあり、スーの妊娠後は胎児の状態を調べ続けます。しかしフランクリンを差し出せば地球を救えるという問題だけは数式で答えを出せません。世界最高の頭脳を持ちながら、父親になることだけは完璧に準備できないと向き合うのが本作のリードです。

スー・ストーム/インビジブル・ウーマン

リードの妻、ジョニーの姉であり、ファンタスティック4の精神的中心。透明化と強力なフォース・フィールドを使います。またフューチャー・ファウンデーションを通して国際協調を進めてきた外交的リーダーでもあります。

本作では母親としてフランクリンを絶対に犠牲にしない一方、人類も見捨てないと宣言。最終戦では自らの命を使い切るほどの力でギャラクタスを押し返します。科学で道を作るリードに対し、人々を信じて一つにする力を持つ人物です。

ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ

スーの弟。全身を炎で包み、飛行と高熱攻撃を行います。陽気で目立ちたがりな面がありますが、本作ではシルバーサーファーの言語と宇宙通信を解析し、シャラ・バルの過去へたどり着きます。

最後には家族と地球を救うため自分がギャラクタスとともに転送される覚悟まで見せます。戦闘だけでなく理解と共感によって敵の心を動かす人物として描かれます。

ベン・グリム/ザ・シング

リードの古くからの親友で、岩石状の身体と怪力を持つチームのパワー担当。見た目は4人の中で最も人間離れしていますが、人々との距離は近く、学校教師レイチェル・ロズマンらとの交流も描かれます。

大きな個人的葛藤より、リード、スー、ジョニーを支える揺るがない家族としての役割が重要です。血縁のないベンまで含めて「ファンタスティック4は家族」であることを体現します。

フランクリン・リチャーズ

リードとスーの息子で、本作最大の鍵となる存在。胎児の段階からギャラクタスに強大な力を感知され、その力を得れば永遠の飢えから解放される可能性があるとして狙われます。

最終戦後には死亡したスーを蘇生。能力の全貌は不明ですが、通常の超能力者を大きく超える潜在力が示されます。さらに4年後にはドクター・ドゥームが直接接触し、今後のMCUでも極めて重要な存在になることが示唆されます。

シャラ・バル/シルバーサーファー

ギャラクタスの先触れ。故郷ゼン・ラを救うため、自分が使者になる代わりに惑星を見逃してもらう契約を結び、その後は別の世界をギャラクタスへ導き続けてきました。

ジョニーに被害者たちの声を突きつけられ、自分の罪と向き合います。最後にはジョニーの自己犠牲を止め、自らギャラクタスをブリッジへ押し込みます。ファンタスティック4が示した「誰かを救うため誰かを差し出すという二択を拒む姿勢」が、彼女の贖罪につながります。

ギャラクタス

惑星の生命エネルギーを食らう巨大な宇宙的存在。支配や復讐ではなく、終わることのない飢えによって惑星を食べ続けています。

フランクリンの潜在力を利用してその飢えから解放されようとし、地球と引き換えに子どもを要求します。最終的には宇宙の遠方へ転送されますが、死亡したわけではありません。倒して終わる悪役というより、宇宙そのものの規模を感じさせる脅威です。

ハービー(H.E.R.B.I.E.)

リードが開発した高性能ロボット。研究や宇宙ミッションだけでなくバクスター・ビルでの日常生活も支え、兵器というより家族の一員に近い存在です。

重要アイテム・組織・場所

アース828

本作の舞台となる別宇宙。1960年代風の文化を持ちながら、リードの発明によって現実の1960年代を大きく超えた科学文明が成立しています。ファンタスティック4が既存MCUのアベンジャーズとこれまで接触していなかった理由にもなります。

バクスター・ビル

ファンタスティック4の本拠地であり、研究施設と家族の住居を兼ねる建物。秘密基地ではなく、家そのものがヒーローチームの本部になっている点が4人らしさを象徴します。

エクセルシオール

ファンタスティック4の宇宙船。FTL航行に対応し、ギャラクタスとの最初の接触、シルバーサーファーとの追跡戦、フランクリン誕生の舞台となります。

フューチャー・ファウンデーション

スーが中心となって世界各国を結ぶ組織。地球移送用ブリッジの建設では、国家を超えた協力体制を作ります。4人が敵と戦うだけでなく、平時から世界を変えてきたことを示す存在です。

テレポーテーション・ブリッジ

リードが研究していた空間転送技術。当初は地球そのものを別の恒星系へ移すために世界規模で建設されますが、最後は発想を逆転させ、ギャラクタスを遠方へ送る装置として使われます。

サブテラニア

ハーヴェイ・エルダー/モールマンが統治する地下都市。最終決戦ではニューヨーク市民の避難先となり、過去の敵との関係さえ協力へ変えられるファンタスティック4の歩みを示します。


MCU的に重要なポイント

1. ファンタスティック4がMCUへ本格参戦

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では別世界のリードが登場しましたが、本作では今後の中心となるリード、スー、ジョニー、ベンがそろって本格登場します。既存MCU世界に昔からいた設定ではなく、独立したアース828から導入されるのが大きな特徴です。

2. アース828が主要世界として登場

一本の映画全体を別宇宙で描き、その世界独自の歴史・文化・科学技術まで成立させています。今後、この完成された別世界が既存MCU世界とどう交差するかがフェーズ6の大きな焦点になります。

3. フランクリン・リチャーズの誕生

ギャラクタスが地球よりも欲しがり、出生直後にスーを蘇生させ、さらに4年後にはドクター・ドゥームが接触します。能力の全貌は不明でも、宇宙級の存在から特別視されるキャラクターとして明確に配置されています。

4. ギャラクタスとシルバーサーファー

MCUの宇宙的脅威にギャラクタスが加わり、その先触れとしてシャラ・バル版シルバーサーファーが登場します。二人とも死亡は確認されず、宇宙の遠方へ転送された状態で終わるため、再登場の余地を残しています。

5. ドクター・ドゥームの登場

ミッドクレジットでヴィクター・フォン・ドゥーム/ドクター・ドゥームがフランクリンへ接触します。理由はまだ説明されませんが、ファンタスティック4は次の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』にも登場することが公式に示されており、明確な次章への導入です。

6. 「家族型ヒーローチーム」という新しい軸

アベンジャーズが別々の人生を持つ英雄の集合体なのに対し、ファンタスティック4は生活と任務が最初から一体化した家族です。リードとスーは夫婦、ジョニーは弟、ベンは親友、そしてフランクリンが加わります。この構造自体が、今後ほかのMCUチームと交わる際の最大の個性になります。


作品のテーマ

「一人か世界か」という二択を拒否する

ギャラクタスはフランクリンを差し出せば地球を助けると提案します。人数だけを比較すれば答えがあるように見えますが、4人はその前提を受け入れません。フランクリンも世界も救う第三の方法を探し続けることこそ、本作が描くヒーロー像です。

家族は弱点ではなく、責任を広げる力

4人は自分の家族だけを守るのではなく、「自分の子どもが大切であるのと同じように、世界中の人々も守る」と考えます。シャラ・バルは逆に、故郷を守るため他の世界を犠牲にしてきました。この対比によって、愛する者を守ることを他者の犠牲の正当化に使わないというテーマが浮かびます。

予測できない未来への「ファースト・ステップ」

リードの知性でも、フランクリンの未来や人の選択を完全には計算できません。タイトルはチーム結成の第一歩というより、完成された4人がフランクリンを迎え、新しい家族として踏み出す最初の一歩を意味する作品として読むことができます。


まとめ

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は、4人の起源をもう一度描くのではなく、すでに世界を救ってきた完成されたチームが、初めて「自分たちの家族そのものを世界から要求される危機」に直面する物語です。

ギャラクタスからフランクリンを差し出せと迫られても、4人は子どもも地球も諦めません。リードの科学、スーの意志と外交力、ジョニーの理解と自己犠牲、ベンの支え、そしてシャラ・バルの贖罪が一つにつながり、地球は救われます。

さらにフランクリンが死亡したスーを蘇生させ、その4年後にはドクター・ドゥームが接触。Marvelのファースト・ファミリーをMCUへ導入すると同時に、フランクリンとドゥームを次の大規模クロスオーバーの中心へ配置する、フェーズ6の入口となる作品です。